六韜 第2章

盈虚第二

この章のポイント(3行サマリー)

  • 組織の盛衰は、景気や運といった外的要因ではなく、リーダーの「あり方」で決まります。
  • 私利私欲を捨て、質素倹約に努め、公正な評価を行う。
  • その姿勢が、メンバーの信頼と豊かさを生み、組織を盤石にするのです。
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古典原文(書き下し文)

古典に興味のある方向け

重要キーワード解説

📜盈虚(えいきょ)

満ちることと、欠けること。組織や国家の盛衰のサイクルを指す。

📜優れたリーダー

優れたリーダー。私利私欲がなく、民衆の幸福を第一に考える為政者。

📜リーダーが細かく干渉せず

リーダーが細かく干渉せず、自然の流れに任せること。ただし、何もしないのではなく、公正なルールと環境を整えた上での放任を指す。

現代語訳

文王が太公望に尋ねた。「天下は賑やかで、満ちたり欠けたり、治まったり乱れたりしますが、その理由は何でしょうか。君主の賢愚が異なるからでしょうか、それとも天の時の変化が自然にそうさせるのでしょうか。

...(省略)
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現代に活かすための「原理原則」

内発的要因による盛衰理論:組織の成功や失敗は外部環境ではなく、リーダーの品格と行動によって決まる。優れたリーダーシップが組織を繁栄させる。

率先垂範によるリーダーシップ:リーダーが自ら質素倹約の模範を示すことで、組織全体に健全な価値観を浸透させ、無駄遣いを防ぐ。

公正で一貫した評価システム:個人的な好悪に関係なく、功績と過失を客観的に評価することで組織の信頼と士気を維持する。

弱者への配慮とセーフティネット:組織の中で困窮している人々や問題を抱えた人々への支援を通じて、全体の結束と安心感を醸成する。

自制による無為の経営:細かな干渉をせず、良いルールと環境を整えた上で自然な成長を促進する適応的なマネジメント。

現代への問いかけ

  1. 組織の成果が悪いとき、外部環境や運のせいにしていませんか?まず自分のリーダーシップを振り返っていますか?

  2. 部下や同僚に求める品質や倫理観を、まず自分が実践できていますか?言行一致を心がけていますか?

  3. 人事評価において、個人的な好き嫌いではなく、客観的な成果と貢献度で判断していますか?

  4. 組織の中で困っている人や問題を抱えている人に対して、適切なサポートを提供していますか?

  5. マイクロマネジメントに陥らず、良い環境を整えた上でメンバーの自主性を尊重していますか?