六韜 第9章

上賢第九

この章のポイント(3行サマリー)

  • 組織の健全性は、リーダーが何を尊び、何を退けるかによって決まる。
  • 賢明なリーダーは、誠実さを取り、偽りを去る。
  • そして、組織を蝕む「六賊七害」を断固として排除する。
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古典原文(書き下し文)

古典に興味のある方向け

重要キーワード解説

📜 上賢(じょうけん)

賢者を尊ぶこと。組織運営において、優れた人材をいかに見抜き、登用するかが重要であるという考え方。

📜 組織を内側から蝕む六種類の有害な人物

組織を内側から蝕む六種類の有害な人物。私腹を肥やす者、規律を乱す者、派閥を作る者など。

📜 組織に害をもたらす七種類の行動や人物

組織に害をもたらす七種類の行動や人物。実力のない者を重用すること、偽善、華美な装飾、不正な利益追求など。

現代語訳

文王が太公望に尋ねた。「人の上に立つ王たる者は、何を尊び、何を軽んじ、何を取り、何を捨て、何を禁じ、何を止めるべきか。」太公望は答えた。

...(省略)
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現代に活かすための「原理原則」

この組織の清廉性と腐敗防止の教えは、現代のガバナンスとコンプライアンスに直結する重要な指針である。

- 明確な価値基準: 組織が何を尊び、何を排除するかを明確にし、一貫した基準で適用する
- 系統的なリスク管理: 組織を内部から蝕む有害な人物や行動を系統的に特定し、排除する
- 結果責任の徹底: 各ポジションに明確な期待と責任を定義し、結果を厳格に評価する
- 権限と責任のバランス: リーダーは洞察不可能な威光を保ちながら、適切なタイミングで断固たる行動を取る
- 偽善の排除: 表面的な美辞や見せかけの行動ではなく、実質的な結果を重視する

現代への問いかけ

1. あなたの組織には、明確な価値基準と行動指針があり、それが一貫して適用されているだろうか?

2. 組織を内部から危険にさらす「六賊七害」に相当するリスクを特定し、適切に対処しているだろうか?

3. 各ポジションに対して明確な期待と責任を定義し、結果に基づいた公正な評価を行っているだろうか?

4. リーダーとして、適切な威光を保ちながら、必要な時に断固たる決断を下す勇気を持っているだろうか?

5. 美しい言葉や見せかけの行動に惑わされず、実質的な結果と成果を重視しているだろうか?

【応用編】この「上賢第九」の教えを、現代でどう活かすか?

この章で学んだ知恵は、現代の様々な場面で応用できます。興味のある分野の記事を読んで、具体的な活用法を学びましょう。