六韜 第5章
明伝第五
この章のポイント(3行サマリー)
- 組織の繁栄は、正しい価値観(義)が、個人の欲望(欲)に打ち勝つことで実現する。
- そして、その価値観は、日々の勤勉さ(敬)によってのみ、維持される。
- リーダーが後継者に伝えるべき最も重要なこと。
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古典原文(書き下し文)
古典に興味のある方向け
重要キーワード解説
📜 明伝(めいでん)
後継者に対して、事業や組織の要諦を明確に伝えること。事業承継の極意。
📜 組織が衰退に向かう三つの兆候
組織が衰退に向かう三つの兆候。善を見て怠る、好機に疑う、非を知りて改めない。
📜 組織が発展するための四つの要素
組織が発展するための四つの要素。柔軟さ、謙虚さ、内に秘めた強さ、忍耐力。
現代語訳
文王が病に伏し、太公望を召した。太子の発(後の武王)がそばにいた。文王は言った。
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現代に活かすための「原理原則」
この事業承継の教えは、現代の組織運営と持続可能性に不可欠な原理を示している。
- 衰退の三要因: 善を見て怠る慢心、好機に疑う消極性、非を知って改めない頑固さが組織を破綻させる
- 発展の四要素: 柔軟性と謙虚さ、内に秘めた強さ、忍耐力が組織の成長を支える
- 価値観の優先: 個人の欲望より組織の義(正しさ)を優先することで、持続可能な発展が実現する
- 日常の勤勉さ: 敬(誠実な努力)を怠らないことが、組織の安定性を保つ
- 承継の本質: 技術やノウハウではなく、価値観と原則の伝承が真の事業承継である
現代への問いかけ
1. あなたは成功体験に慢心して、新しい学びや改善を怠っていないだろうか?
2. 好機が訪れた時、疑いすぎて行動を起こすチャンスを逃していないだろうか?
3. 自分の間違いや組織の問題を認識しながら、改善を先延ばしにしていないだろうか?
4. 困難な状況でも、柔軟性と謙虚さを保ちながら、内に秘めた強さで対処しているだろうか?
5. 短期的な利益や個人的な欲求よりも、組織の長期的な価値と正しさを優先しているだろうか?