六韜 第7章

守土第七

この章のポイント(3行サマリー)

  • 組織の安定は、小さな問題を見過ごさず、事前の対処を徹底することにかかっている。
  • 「涓涓塞がざれば、将に江河と為らん」。
  • そして、最も重要な権限(利器)は、決して他人に貸し与えてはならない。
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古典原文(書き下し文)

古典に興味のある方向け

重要キーワード解説

📜 守土(しゅど)

領土を守ること。現代においては、組織の資産や市場シェア、ブランド価値などを守ることを指す。

📜 ちょろちょろと流れる水も

ちょろちょろと流れる水も、塞がなければやがて大河になる。小さな問題も、放置すればやがて組織を揺るがす大問題になるという戒め。

📜 情報戦略

鋭い武器。ここでは、組織の根幹をなす権限や、競争力の源泉となる技術・情報などを象徴する。

現代語訳

文王が太公望に尋ねた。「国土を守るにはどうすればよいか。」太公望は答えた。

...(省略)
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現代に活かすための「原理原則」

この守土の教えは、現代のリスク管理と組織運営の核心原理を示している。

- 早期対応の原則: 小さな問題を放置しておけば、やがて組織を脅かす大問題に発展してしまう
- コアコンピタンスの保持: 組織の最も重要な機能や権限を、安易に他者に委ねてはならない
- タイミングの重要性: 最適な時期を逃さず、適切なタイミングで行動を起こす
- ステークホルダー管理: 内部関係者と外部関係者の両方を適切に配慮し、組織の安定を保つ
- 財務基盤の重要性: 組織の持続的な発展と価値提供のために、安定した財務基盤を築く

現代への問いかけ

1. あなたは日常の小さな問題やサインを見過ごして、大きな問題に発展させてしまった経験はないだろうか?

2. 組織の最も重要な機能や権限を、適切に自分でコントロールしているだろうか?

3. 意思決定や行動を起こすタイミングを適切に把握し、機会を逃さないようにしているだろうか?

4. 内部の関係者(チームメンバー、経営陣など)と外部の関係者(顧客、パートナーなど)の両方を適切に配慮しているだろうか?

5. 組織の持続的な成長と価値提供のために、安定した財務基盤を築くことを重視しているだろうか?

【応用編】この「守土第七」の教えを、現代でどう活かすか?

この章で学んだ知恵は、現代の様々な場面で応用できます。興味のある分野の記事を読んで、具体的な活用法を学びましょう。