六韜 第8章
守国第八
この章のポイント(3行サマリー)
- 優れたリーダーは、自然のサイクル(春夏秋冬)に逆らわない。
- 成長期(夏)には積極的に活動し、収穫期(秋)には利益を確実に確保し、冬の時代には、静かに力を蓄える。
- そして、平時にはその存在感を消し、組織が危機に陥った時にこそ、その真価を発揮する。
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古典原文(書き下し文)
古典に興味のある方向け
重要キーワード解説
📜 天地の経(てんちのけい)
天地自然の法則、物事の根本的な原理。
📜 春夏秋冬
春夏秋冬。物事には、生まれる時、成長する時、収穫する時、そして蓄える時という、自然なサイクルがあることを示す。
📜 世の中が平和で治まっている時には
世の中が平和で治まっている時には、優れたリーダーは目立たず、その存在感を消しているということ。
現代語訳
文王が太公望に尋ねた。「国を守るにはどうすればよいか。」太公望は答えた。
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現代に活かすための「原理原則」
この自然の摂理に基づいた組織運営の教えは、現代の持続可能な経営に深い示唆を与える。
- 自然のサイクルに順応: 組織にも成長期、成熟期、転換期、再生期があり、それぞれの段階に適した戦略と行動を取る
- 時代に応じたリーダーシップ: 平時には控えめに、危機の時には積極的にリーダーシップを発揮する
- 陰陽のバランス: 表に出る活動(陽)と内部で力を蓄える活動(陰)を適切にバランスする
- 継続的な循環: 終わりは新しい始まりであり、成功も失敗も永続しない循環の一部として捉える
- 天地との調和: 自然の法則に逆らわず、持続可能な発展を目指す
現代への問いかけ
1. あなたは組織や事業の現在の段階(成長期、成熟期、転換期など)を正しく理解し、それに適した戦略を取っているだろうか?
2. 平時と危機の時で、リーダーシップスタイルを適切に使い分けているだろうか?
3. 目立つ活動だけでなく、内部で力を蓄える期間の重要性を理解し、実践しているだろうか?
4. 成功や失敗を一時的なものと捉え、長期的な視点で持続可能な発展を目指しているだろうか?
5. 自然の法則や社会の流れに逆らわず、調和を保ちながら組織を運営しているだろうか?